ビールペアリングとは?ビールに合う料理・おつまみの組み合わせをご紹介します!

ビールペアリングとは?ビールに合う料理・おつまみの組み合わせをご紹介します!

熊倉
熊倉

こんにちは!
ビールが過去に水代わりとして飲まれていた時代を羨ましがっているCRAFT BEER TIMES編集部の熊倉です。

あなたはビールを飲むとき、おつまみにはどんなものを選んでいますか?
今飲んでいるビールとどんな料理を合わせたらもっと美味しくなるのかを考えるのって、けっこう楽しいですよね!

かくいう私もその一人で…
「今日はこのビールを飲むからおつまみはどうしようかな?」
「さっき頼んだ料理に合わせるビールはどんなタイプがいいかな?」

なんてことをいつも考えてしまっています。

ビールと料理の相性の良い組み合わせのことを「ビールペアリング」と呼びます。

ワインの世界では、料理とワインの組み合わせのことを「マリアージュ」と呼んだりしますね。
マリアージュとは「結婚」を意味する言葉ですので、それほどまでに料理とお酒の組み合わせには素晴らしい相性があるのだということがわかります。

料理とお酒のコンビネーションをビールでも楽しみたい!
そんな方のために今回はビールペアリングの基本をまとめてみました。

  • ペアリングってどういうこと?
  • 食事とビールのどこを気にすればいいの?
  • おすすめのビールとおつまみの組み合わせが知りたい!

今回の記事はそんな疑問を解決する内容となっております。

お酒と食事は我々日本人にとって切っても切り離せない関係です。
ペアリングがマスターできれば、いつものビールがもっともっと美味しいものへと変貌すること間違いなしです。

ビール好きなあの人へのおもてなしの時にも役立っちゃうかも!?
ぜひこの記事を読んでペアリングの基本、マスターしちゃってください!

それではよろしくお願いします!

ペアリングとは?

ペアリングとは、料理とお酒の美味しさを引き立てる組み合わせのことです。

料理とお酒にはそれぞれ個性のある美味しさがあります。

例えば…

  • 素材本来の旨味を引き出した和食の椀物
  • 工夫を凝らしたソースが決め手のローストビーフ
  • フレッシュでみずみずしく爽快感があるビール
  • 熟成された芳醇な香りと深みのある赤ワイン。

これらは単独でも美味しい料理やお酒ですが、一緒に食べたり飲んだりすることでより美味しさに磨きがかかることがあります。

その料理とお酒の相性こそがペアリングなのです。

※ちなみにペアリングに使われる飲み物はお酒に限らず、現在はお茶やジュースのペアリングやノンアルコールカクテルのペアリングなども提唱されています。

ビールペアリングの考え方

ビールとおつまみの組み合わせは無限大です!
この世界に存在するビールは100種類を越え、そのビールの種類はビアスタイルと呼ばれています。
この多様なビールの種類があるからこそ、ビールとおつまみの組み合わせは無数に広がるのです。

ビアスタイルについて詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

では、ビールとおつまみを合わせるときにはどのように考えたらいいのでしょうか?
注目すべきポイントは3つあります。

  1. 発祥国で合わせる
  2. 色で合わせる
  3. 味のバランスで合わせる

この3つの合わせ方についてそれぞれ解説していきたいと思います。

1. 発祥国で合わせる

“地のものは地のものと合わせる”
この考え方はビールとおつまみの相性を考える上で絶対に外せません。

その土地伝統の料理やお酒は、地域の文化として受け継がれてきたものです。
お酒と食文化は互いに密接に関わり合いながら発展しているので、必然的にそれらの相性は良くなります。

そのため、ビアスタイルと料理の発祥国を合わせることは、素晴らしいペアリングを生み出しやすいです。

また、味わいの相性もさることながら、その国らしい雰囲気も楽しめるところがこの発祥国ペアリングの魅力の一つです。

例えば…
  • アメリカンIPA × ハンバーガー
  • ジャーマンピルスナー × ジャーマンポテト

2. 色で合わせる

ビールも料理も色が淡いものはあっさり、色が濃いものは濃厚な味わいのものが多くなります。
そのため似た色合いのビールと料理を合わせると、味わいや風味のバランスが整って良く馴染むようになるのです。

特にステーキなどの焼き物や長時間加熱する煮込み料理は、香ばしい風味が付くのでロースト麦芽を使った黒ビールとの相性が良くなります。

逆に、焼きや煮込みがそこまで強くない料理は淡色ビールと合わせたほうがバランスを取りやすいです。

例えば…
  • ベルジャンホワイト × 蒸し鳥のホワイトソース
  • ポーター × すき焼き

3. 味のバランスで合わせる

ビールと料理のそれぞれの個性を引き立て合ったり補完したりするペアリング方法です。このペアリングこそがペアリングで最も難しく、面白い方法です!

ここでは意識すべきポイントを2つに分けて紹介します。
このペアリングがわかるようになると、ビールと食事の相性がグッと広がりますのでぜひマスターしましょう!

【ポイント その1】味の五角形を意識しよう

人間の味覚には塩味・甘味・酸味・苦味・旨味の5つがあります。

この五つの味覚のバランスを整えることで、ビールと料理の味わいはより複雑になり美味しく感じるようになります。

例として、肉じゃがに合うビールを考えてみましょう。

肉じゃがの味覚要素は、塩味・甘味・旨味があります。
この肉じゃがの味の要素を五角形のレーダーチャートで表してみました。

肉じゃがの味覚チャート

このようにしてみると、肉じゃがに足りない味覚の種類は酸味と苦味であることがわかりますね。

これを補うために、苦味のあるIPAや酸味のあるサワーエールを合わせた場合のチャートを見ててみましょう。

肉じゃがとIPAの味覚チャート
肉じゃがとサワーエールの味覚チャート

それぞれIPAとサワーエールを合わせたことで、チャートの幅が広がりましたね。
このような味覚の広がりを意識すると、複雑でコクのある美味しいペアリングが見つかります。

ひとつ注意点として、味わいの強さのバランスに気をつけましょう。
特定の味覚があまりに突出してしまうと全体のバランスが崩れてしまうからです。

料理とビール両者の味わいの強さを揃えることを意識してみてください。

例えば…
  • ダブルIPA × コッテリ系の料理
  • セッションIPA × さっぱり系の料理

【ポイント その2】香りは調味料として考えよう

香りも料理とビールの相性を左右する大きなポイントとなります。
香りの合わせ方としては、同系統に合わせる方法と、ビールの香りを調味料やスパイスとして料理に合わせる方法があります。

例として、オレンジとハーブのサラダに合わせるビールを考えてみましょう。

サラダには柑橘系のフルーティーな香りと、ハーブの爽やかな香りがあります。

ここに同系統の香りを合わせるのなら、柑橘系とハーブの香りを持つホップが使われたなペールエールが良いでしょう。
さらに言えば、ペールエールの中でも比較的モルトの風味が抑えられたゴールデンエールはより馴染むはずです。

もう一つの候補としてはベルジャンホワイトも挙げられます。
ベルジャンホワイトはオレンジピールと酵母由来のフルーティーな香りを持っています。
また、副原料のコリアンダーによるスパイシーなニュアンスもあるので、サラダに香辛料を振ったようなアクセントも加えてくれます。

【ビアスタイル別】ビールとおつまみのオススメのペアリング

それではいよいよオススメのビールと料理・おつまみの組み合わせをご紹介します!
前述したビールとおつまみの合わせ方を意識した、CRAFT BEER TIMES編集部のお気に入りのビールペアリングです!

スーパーやコンビニなどですぐに買えるものや簡単に用意できるおつまみを中心にチョイスしたので、ぜひ気になったものはお試し下さい!

ピルスナー × ザワークラウト(発祥国で合わせるペアリング)

ザワークラウト

ピルスナーといえば爽快なのどごしとさっぱりとした味わいが特徴ですよね。

その飲みやすさからどんなおつまみともそつなく寄り添ってくれる、万能タイプのビールであるとも言えるでしょう。

そんなピルスナーに合わせたいのがザワークラウト

ザワークラウトとはドイツ発祥のキャベツの漬物です。
独特な風味があり塩気と酸味が効いた味わいが特徴で、ドイツではポピュラーなおつまみで、あらゆる料理に付け合わせとして添えられています。

ザワークラウトの塩気と酸味のある味わいはピルスナーの程よいモルトの甘味を引き出し、ピルスナーの切れ味はザワークラウトの強めの味わいを落ち着かせてくれます。
特に発祥国を合わせたジャーマンピルスナーとの相性は抜群です!

ザワークラウトは発酵食品ですが、基本的な作り方は切ったキャベツに塩を振って瓶に詰めるだけなのでとても簡単です。
自分で作れば安上がりですし、なにより発酵由来の独特の香ばしさがこれまたビールに合う!ぜひチャレンジしてみてください。

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ザワークラウトに合うオススメのピルスナー

ペールエール × 鶏の唐揚げ(色で合わせるペアリング)

鶏の唐揚げ

ペールエールの特徴は、程よいモルトの風味とホップの軽快な香りと苦味です。
そんなペールエールには王道のおつまみである「鶏の唐揚げ」をおすすめします!

ペールエールにはアメリカンスタイルやブリティッシュスタイルなど、幅広い種類があります。そのペールエールの種類に合わせて、唐揚げの種類も変えてみましょう。

例えば、ホップの苦味と香りが効いた淡色のアメリカンペールエールには塩唐揚げ。
シンプルな味付けの唐揚げはホップの香りの邪魔をせず、鶏肉の旨味とビールの苦味のハーモニーを楽しむことができます。
アメリカンホップのシトラスフレーバーの相性を考えてレモンを絞るのもありですね。

そしてモルトの風味が強い中濃色のイングリッシュペールエールには醤油唐揚げを合わせましょう。
醤油の香ばしさとモルト香ばしさのふたつが重なり、一体感をもった味わいとなります。甘ダレに絡めた唐揚げともマッチするはずです。(甘ダレ系の場合はアンバーエールなどもオススメ)

鶏の唐揚げはスーパーやコンビニなどで色々な種類が買えますので、ぜひ色々なペールエールとの組み合わせを試してみてください!
もちろん自分で作ってもOKです!

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鶏の唐揚げに合うオススメのペールエール

IPA × ハンバーガー(発祥国で合わせるペアリング)

ハンバーガー

IPAのガツンとしたホップの苦味には、やはりガツンとしたものを合わせたい!そこで合わせるのにオススメなのはIPAの本場アメリカの国民食、ハンバーガーです。

IPAの強い苦味とモルトのしっかりとした風味に、牛肉100%の塩気の効いたハンバーガーを合わせればもう文句無しです。
脂身と苦味の相性はとても良いので、ホップの苦味が強いビールほどボリューミーなハンバーガーと相性が良くなります。

また、IPAは基本的に「酸味」がありません。
そのためハンバーガーの魅力のひとつである豊富な種類のトッピングで酸味を補うと味わいの幅をグッと広げることができます。
そういった意味では、ピクルスは非常に良い仕事をしてくれているのです。(私はピクルスが大好きです)

アメリカで育ったIPAは、ぜひ同じくアメリカで親しまれているハンバーガーと合わせましょう!
お好みのIPAでお好みのハンバーガーをガッツリいっちゃってください!

ハンバーガーに合うオススメのIPA

ヴァイツェン × サラダチキン(色で合わせるペアリング)

サラダチキン

小麦を使った優しい味わいのヴァイツェンには、淡白な味付けのサラダチキンがおすすめです。

特徴的なバナナやクローブなどのヴァイツェンの香りはとても繊細なため、大味のおつまみとはバランスを取るのが難しいです。
そのため、サラダチキンのような控えめながら旨味のあるおつまみを合わせます。

サラダチキンのしっとりとした食感とヴァイツェンの滑らかな口当たりの相性は良く、鶏肉に染み込んだほのかな塩味がヴァイツェンの小麦の甘味を引き立ててくれます。
サラダチキンには様々な味付けがありますが、ヴァイツェンと合わせるのならハーブ味がおすすめです。
ヴァイツェンのクローブ香とハーブのスパイシーな香りが絶妙にマッチします!

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サラダチキンに合うオススメのヴァイツェン

ベルジャンホワイト × フライドポテト withサムライソース(発祥国で合わせるペアリング)

フライドポテト

ベルジャンホワイトの特徴はさっぱりとした飲み口とフルーティーでスパイシーな香りです。

そんなベルジャンホワイトにぜひ合わせてみて欲しいおつまみは、みんな大好きフライドポテトです。

世界中のあちこちで親しまれているフライドポテトですが、実はその発祥はベルギーだとされています。
ベルギーでフライドポテトは「フリッツ」と呼ばれており、どんな料理にも添えられるパンの代わりのような食べ物として親しまれています。

そんなフライドポテト発祥のベルギーには、ピリ辛でまろやかな「サムライソース」なるものが存在します。

作り方は簡単で、マヨネーズ・レモン汁・唐辛子を混ぜるだけです。
辛味・まろやかさ・酸味のあるソースは、ベルジャンホワイトの小麦の柔らかな口当たりやスパイシーで酸味のある味わいにしっかりハマります。

ベルギーで人気のサムライソースで食べるフライドポテトとベルジャンホワイトのペアリング、ぜひ試してみてください!

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フライドポテトに合うオススメのベルジャンホワイト

ポーター × ティラミス(味わいのバランスのペアリング)

コーヒーのような香ばしさとコクのあるビターな味わいのポーター。

黒ビールを代表するこのビールにはやはりデザートを合わせてみたい!
ということでポーターとの組み合わせはティラミスをおすすめします。

デザートとビールの組み合わせの楽しみはズバリ「甘苦い」味わい。
黒ビールのコーヒーを思わせる焙煎の香りと焦げの様な苦味は、デザートの持つまろやかな甘味と手を取り合って味わい全体の底上げをしてくれます。

ポーターは黒ビールの中でもまろやかさと香ばしさが落ち着いており、マスカルポーネチーズとココアパウダーを使った少しビターでクリーミーなティラミスとは、味わいのバランスがマッチします。

ティラミスはコンビニなどでも簡単に手に入りますのでぜひ合わせてみてください!黒ビール好きで凝り性の方は、この機会にスイーツ作りにチャレンジしてみては?

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ティラミスに合うオススメのポーター

ランビック × 塩焼き鳥(味わいのバランスのペアリング)

ランビックはベルギー伝統のビールで、強烈な酸味とドライな味わいが特徴のビールです。

そんな個性派のランビックに合わせてほしいおつまみが、居酒屋で注文するド定番のおつまみである塩味の焼き鳥です。

塩味の焼き鳥はシンプルな味わいで、鶏の旨味を楽しむことができます。そこにランビックを合わせると、塩味・酸味・旨味の3つが合わさることになります。
ここに味の相乗効果が生まれるのです。

酸味と塩味は互いの味のレベルを和らげ、旨味は他の味わいと合わさることでより強くなる効果があります。
さらにランビックのドライな味わいと強い酸味は、焼き鳥の脂を洗い流してくれます。

日本の居酒屋料理である焼き鳥と、ベルギー伝統のビールであるランビックの相性が良いというのはなかなか意外性があって面白いですよね!

ランビックは個性的なビールなので合わせるおつまみに迷う事があるかもしれませんが、料理に付け合わせるレモンをイメージするとペアリングのヒントが浮かび上がるはずです。
なにわともあれ塩味の焼き鳥とランビックの組み合わせ、ぜひ試してみてください!

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塩焼き鳥に合うオススメのランビック

【小話】生魚とビールのペアリングについて

居酒屋などで生ビールと一緒にお刺身を食べたときに生臭みを感じたことはありませんか?

定番の組み合わせではありますが、実は日本で一番多く飲まれているピルスナータイプのビールと生魚の相性はあまり良くないとされています。

その理由は、ラガータイプのビールには非常に微量の生臭み成分(硫黄系)が含まれていることに由来します。
この生臭い香りは通常は感じられませんが、お刺身などの生魚と合わせることで魚の生臭みがビールの生臭みを引き出してしまうことがあるのです。

そのため、お刺身にはフルーティーなエールタイプや、カラメル香のある濃色タイプのビールを合わせる方がオススメです。

それでもあえてピルスナーと生魚を合わせるのなら、オリーブオイルやハーブを使ったカルパッチョや、わさび醤油に浸したヅケなど、生臭みを抑える調理法の生魚をと合わせるといいでしょう。

まとめ

以上、ビールペアリングについてご紹介させていただきました。
ビールと料理をもっと美味しく楽しむために少しでも参考になったのであれば幸いです。

最後に今回の内容のポイントを振り返ってみます。

  • ペアリングとは、お酒とおつまみが美味しく食べられる相性のこと
  • ビールのペアリングはビアスタイルの数だけ存在する
  • ビールペアリングのコツは「発祥国で合わせる」「色で合わせる」「味わいのバランスで合わせる」の3つ
  • 特に「味わいのバランスで合わせる」場合は、味覚の五角形を意識する

今回ペアリングのコツをお伝えしてきましたが、ペアリングには決まったルールはなく、一番大事なことは「自分が美味しいと思うビールとおつまみの組み合わせを楽しむ」ということです。

「ゴーヤとダブルIPAの苦味マシマシコンビが大好き!」
「私はどんな料理にもスタウトを合わせたいんだ!」
「納豆とランビックのワイルドな組み合わせがたまらない…」

こんなこだわりがあってもイイと思います。
みなさん思い思いのビールとおつまみの組み合わせを試してみてください。

美味しい組み合わせや面白い発見があったら是非TwitterのリプライやDMなどで教えていただけると嬉しいです!

それではまた!

熊倉
この記事を書いた人
熊倉
1993年生まれ、酒屋勤務、新潟市在住。いろいろお酒を飲むけどいつもビールに戻ってくる。セッションIPAを水筒に入れて持ち歩きたい。大衆酒場が好き。
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